メディアアート
という言葉を 聞いたことがありますでしょうか?


近年ではチームラボが開催している 展覧会などの存在はみんな
知っているのではないでしょうか?

ウィキペディアによると

芸術表現に新しい技術的発明を利用する、
もしくは新たな技術的発明に
よって生み出される
芸術の総称的な用語である。

特に、ビデオやコンピュータ技術 をはじめとする
新技術に触発され生まれた美術であり、
またこういった新技術の
使用を積極的に志向する美術である。


 要は最先端のプログラミングなどを
取り入れた新しいアートの
形のようなものでしょうか。


近年ではディズニーランドなどでも 取り入れている
プロジェクションマッピング
メディアアートの形と言えるかと思います。

プロジェクションマッピングは
専門的なプログラミング知識や
対象物への照射などで立体的に
映像を映し出すような技術です。


現在のメディアアートを考えた時
パソコンの存在なくしては
表現することは難しいです。


パソコンが普及していく
歴史背景を考えてみましょう。
Apple I が販売されたのが1976年なので
プログラミングを駆使したメディアアート
の形は非常に新しいものと考えられます。


◆コンピューターアート

 

メディアアートの歴史を辿っていくと
コンピューターアートという言葉が出てきます。


コンピューターアートとして
一番最初の作品は1950年代 アメリカのベンラポスキーが
ブラウン管とアナログコンピューターを 駆使した作品
が最初のコンピューターアートの
先駆けの作品とされているようです。


1952年 oscillon number four

いわゆるCGの元祖のようなものでしょうか。


そこから現在のメディアアートの
形に至る過程を考えた時に
非常に実験的な要素を取り入れた
アートのジャンルといえます。


E.A.T.(Experiments
in Art and Technology)

1966年より 当時の前衛芸術家たちによる
非営利組織 E.A.T.(Experiments in Art and Technology) を結成。

参加アーティストは

ジャン・ティンゲリー (現代美術、画家、彫刻家)
ジャスパー・ジョーンズ (画家)
アンディ・ウォーホル (画家・版画家・芸術家)
ロバート・ラウシェンバーグ (美術家)
ジョン・ケージ (現代音楽家)

といった面々で結成されました。



電子音楽、映像、
美術を表現していった。
アートとテクノロジーの融合。
後のメディアアートの先駆けと言われています。
音楽とメディアアートの関連性は
非常に高いと言えます。


形はともかく今でこそ当たり前の
演出であるライブハウスの スモークや照明効果もこういった
実験的な要素から始まったものと言っても
過言ではないでしょう。


◆ジェフェリーショー

ジェフェリーショーは 1960年代後半から新しいメディアを
使った芸術形式の実験を数多く行なってきた
メディア・アート界のパイオニア


1989年代に発表した作品
レジブルシティ
では今ではみんなも存在を知っている
VRシステムを使った作品です。

固定自転車のペダルをこぐと3DCGと
連動して立体的に仮想都市を自由に
駆け抜けるという体験ができる作品。
自転車でVRヴァーチャルリアリティの
世界に没頭するというものだ。
いつの間にか汗が出るくらい
走っているという話です。

身体とメディア 身体的行為とVR技術の関係性
現実と仮想現実
もう一つの新しい世界の
可能性を示唆するものとなりました。


1997年 《CAVEの共同[形]成》

アグネス・ヘゲドゥシュ

ジェフリー・ショー

ベルント・リンターマン

レスリー・スタック

によるコラボ作品である。


CAVEとはイリノイ大学において 開発されたVRシステムの事です。

Shaw & Hegedues & Lintermann: ConFIGURING the CAVE, Responsive Environment 1996


3Dメガネをかけて空間に入ると
立体映像と音響が広がり
中央の木製人形の関節を動かすと
世界のパラメータが変化します.


こちらもVRの新しい可能性を 広げていくものになりました。

◆クリスタソムラー / ロランミノニョー

1992年《インタラクティブ・プラント・グローイング》

コンピュータによる三次元空間上
で成長するこの仮想植物が,
実際に観客が近寄って触れることの
できる生きた植物と結ばれている.

   

The View, Interactive Plant Growing von Christa Sommerer und Laurent Mignonneau

実際の生きた植物に触れ,
その手を動かすことによって観客は,
前面のスクリーン
に映し出されているの仮想的成長に,
直接作用を及ぼし,
コントロールすることができる.

観客の手の動きにしたがって,
植物と成長プログラムを
結ぶインターフェイス に,
さまざまなデータが与えられる
システムになっています。

 

日本のメディアアート

日本のメディアアートで有名な方といえば
岩井俊雄さんになるでしょうか。
子供向け番組ウゴウゴルーガのCGを
担当されていた方でもあります。

Toshio Iwai's Works

1995年には 坂本龍一さんとのコラボレーションで
MIDI信号と映像を融合させた
映像装置としてのピアノ
を発表しています。

 

鍵盤がそのまま 映像装置になっているというわけです。

落合陽一さんも 岩井さんからの影響を 公言しています。

 

◆近年の音楽シーン と メディアアート

 

NOSAJ THING

世界では様々なミュージシャンがいます。
日本でもPerfumeなどの映像演出などの
真鍋 大度さんが映像を手がける
NOSAJ THING

Nosaj Thing "Eclipse/Blue" [Official Video]

NOSAJ THINGのステージでは
真鍋さんがVJなどで参加し
度々タッグを組んでいます。

 

Amon Tobin

そして最後になりますが、
映像と音楽という部分ではこれ以上の衝撃を
今でも受けていません。

   

Amon Tobin - Dropped From The Sky (Live Projection Mapping)

この立体系の中でプレイしているという感じです。笑
探せますか??
正直凄すぎて音が全く入ってこないという。笑

 

ここまですごい 映像、立体物、
仕組みを作るのは
かなりのコストも知識も必要になります。

 

プロジェクターの光の強さもいわゆる
ホームシアターのルーメンではありません。笑

 

やはりメディアアートは音楽との
関係性があると言えますね。
仮想現実、非日常へ

もっと新しい表現への挑戦をここから スタートしていきましょう。

   

文/唐沢 晋

※参考文献/メディアアートの教科書